「社会福祉法人の存在理由」

近年の社会福祉改革によって、老人福祉施設は介護老人福祉施設となり、障害者施設もまた、障害者自立支援法によって運営される施設へと再編成が行われた。これらの社会福祉施設のありようの中で我われ施設関係者が嘆かわしく感じることは、社会福祉法人とは…

福祉サービスの質を向上する

1.「福祉サービスの質の向上」とは何か 福祉サービスの質を向上する要素としては、 A=利用者のサービスに対する質の要求水準 (どうサービスしてほしいか、顧客の願望、顧客満足) B=サービス提供事業所の質 (どうサービスしたいのか、サービス提供目…

理念を構築(再構築)する。

1.「存在意義」 同じ目的をもった同士が集まって何かを始めようとしたとき、そこには組織の活動を通じて達成すべき共通の目的を元に形成される組織の理念ができあがる。次のような事柄である。 ・我われは何をなすべきか。(自分たちの使命は何か。) ・そ…

社会福祉法人のミッションを考える

平成12年に介護保険制度がスタートしてから、社会福祉法人とりわけ介護老人福祉施設を経営する社会福祉法人のなかには、自分たちの本来の使命を忘れたかのような経営姿勢で事業運営をしている法人があるように見受けられる。その多くは、比較的新しく開設…

「でもしかワーカー」がはびこる現在の介護保険制度

東京都の特養で性的虐待の事実があったと報道された。介護保険制度の主旨に反する行為であり、福祉施設で働く職員の風上にも置けないまこともって許しがたいことだ。 介護保険制度のめざすものは自立支援であり、尊厳の保持である。しかし、現在運用されてい…

社会福祉施設職員の専門性

1.社会福祉専門職の仕事 施設職員が社会福祉専門職として活動するとき、自らの専門性を定義しておかなければならない。この専門性という職業基盤があってこそ社会福祉専門職といえるのである。 社会福祉の専門性構成要素は、 ①基礎知識 一般教養、関連知識…

ミーティングで四行日記

この春、『気づき』を訓練する方法として何かよいのはないものかとインターネットでホームページを検索していたら、「四行日記」をとりあげたホームページが目に入った。四行日記とは、一日を振り返ったときに、自分にとって重要な事柄をとりあげて、それを…

団塊世代の思い

「個別ケア」が現在の特別養護老人ホームにおけるケアの主流になっている。 介護保険がめざしていたものは「個人の尊厳」と「自立支援」であり、そのためには利用者一人ひとりの主体性や独自性が尊重されないといけない。しかし、老人福祉施設の多くは施設や…

個別ケアの推進のために“施設概念の転換”

「介護」から「生活支援」へ 前田光泰1.介護者不在の施設にならないために 高齢者の増加と反比例するかのように、近年、景気の回復傾向に伴って福祉施設への就職希望者が年々減少しつつある。また、悲しいことに従事者の離職率が平均で約20%というのも…